「グランドセイコースタイル」とは、最高の精度を目指して誕生したグランドセイコーに、高級腕時計に相応しい外観を与えるべく考案されたデザイン文法です。燦然と輝く腕時計を生み出すグランドセイコースタイルは、1967年に発表した「44GS」にて確立されました。
 
その根底にあるのは日本の美意識です。鏡面が放つ光と、立体的な造形が落とす影を操作して、美を創出するスタイルは、歪みのない平滑で美しい面に磨き上げる「ザラツ研磨」をはじめとする高度な匠の技により実現しています。
 
夜が明け、あけぼのよりも空が明るくなったころをいう「朝ぼらけ」。本作は、朝もやの向こうに山々の目覚めを感じるような、信州の朝の情景を、繊細な型打ち模様と透明感のあるホワイトダイヤルで表現しました。
 
時刻の判読性を高めるために分針と秒針は手作業で曲げられ、緩やかなカーブを描いてダイヤルとの距離を近づけています。また、ガラスは、オリジナルの44GSと同様にボックスガラスを採用しています。クラシカルな雰囲気を味わえるだけでなく、ガラス縁の厚みを抑えることで時計全体の重心を下げ、心地よい装着感を実現しています。
 
信州時の匠工房で作られ、約72時間の持続時間を持つ手巻スプリングドライブキャリバー「9R31」を搭載。デュアル・スプリング・バレルと呼ばれる新機構を採用し、1つの香箱（バレル）に薄く長い2本のぜんまいを並列に重ねることにより持続時間を向上させています。また、ヘアライン仕上げの美しいムーブメントの外観も特徴です。